高段者の中盤7

相矢倉の中盤戦。形勢は難解です。
今、▲1五角の飛び出しに△2四歩と受けたところ。
いろいろな攻め筋が目につきますが、先手が選択した手とは。

▲9八玉!

▲2四角がありそうですが△同角とされ、後に△7七歩、△5六銀、△5六歩〜△4四角などの筋が残り、カウンターが厳しそうです。▲1七桂には△1六銀、▲8五銀△同歩▲3四桂には△同銀▲同歩△同金で攻めの継続が難しい。
そこで先手の▲9八玉が絶妙な手渡し。戦場から一路遠のくことで、強い攻め合いに出ることができます。また後の△7七歩のタタキに▲8八金の受けを可能にしてゼの形(絶対詰まない形)になりました。
実戦は▲9八玉に△5六銀▲6六金!△4七銀成▲5五金と進み、▲4四歩から▲2五飛の寄せで先手の勝ちとなりました。